真鶴町役場向け研修会「海を活かしたまちづくり研修会〜真鶴の自然を知る〜」(1/28)

先日、真鶴町役場にて第2回「海を活かしたまちづくり研修会」を開催しました。
今回は「ジオパーク」をテーマにして、講師に神奈川県立生命の星・地球博物館 笠間学芸員をお迎えして実施しました。
真鶴町は、箱根町、小田原市、湯河原町とともに「箱根ジオパーク」に登録されています。
ジオパークでは、岩石や地質だけでなく、その大地に育まれる自然と人との関わりもジオ(大地や地球の)ストーリーとして扱われ紹介されます。それらを活かして、地域の観光振興や社会教育に結びつけるための知識や参考事例をご紹介していただきました。さらに実験や動画などで、箱根や真鶴半島の形成過程もご紹介いただきました。

笠間学芸員による講義

火山灰が広がる様子を実験で再現


真鶴町では、昔から石材業が盛んで、江戸城の石垣などに沿岸の岩が石材として切り出されていました。真鶴の磯は平らで足場がよく、適度に潮だまりが形成され非常に生物観察に非常に適しています。実は、これは自然そのままの磯ではなく、石切り場の跡であり、石が切り出されたため平らな磯が広がっています。つまり、岩石を利用した昔の人たちが作り出した環境が、現在、自然観察をするために非常にいい環境を作り出しています。一見関係なさそうな磯の生物観察にもジオストーリーが存在します。さらに、真鶴沿岸の固い岩は、さまざまな付着動物の基盤となり、豊かな海の生態系を育んでいます。
大地や海などの基盤の上に、生物や人の営みが成り立っていること、それを多くの方に知っていただく機会を行政や住民の方とつくっていきたいと改めて感じることができた研修会でした。

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